ジャンル把握のススメ 2022
アドベンチャー系

アドベンチャーこのジャンルは大きな2つのイメージがあります。ひとつは事件を解決したり仕掛けを解くといった謎解き系、もうひとつは物語を描くということを重視したゲームです。 以前はテキストあるいは音声によるセリフが重要なゲームという把握の仕方で問題なかったのですが、現在では映像による表現や探索が重要なものもあり、把握しづらいジャンルになりました。 「Life is Strange」や「Detroit: Become Human」のようなゲームは分かりやすいのですが、アクションアドベンチャーとの違いが分かりにくいものもあります。 例えば「moon」「ギフトピア」といった、いわゆるラブデリック系や、「A Short Hike」「TOEM: A Photo Adventure」のような探索型、さらには「Tomb Raider」「Last of Us」などのアクション要素が強めのものなど様々なゲームがあります。そういったゲームはコントローラーを操作するということがプレイ体験に大きく影響するため、アクションアドベンチャーのように感じることもあると思います。 そのため、アドベンチャーなのかどうかというのはゲームプレイにおいてどの要素がどの程度の割合を占めているかといった、そのプレイ体験をもとにした話になる場合が多いかもしれないです。

アクションアドベンチャー「ゼルダの伝説」シリーズのようなゲームですが、現在は把握しづらいジャンルとなっています。 基本的には、キャラクターの操作にアクションな要素があり、謎解き系の要素も含むゲームの世界の何かしらに触れることができる、というイメージです。 ツボを持って投げたら割れた、ニワトリを殴ったら逃げ出した、そういった体験ができるゲームかなと思います。ゲームの世界にある何かに対してプレイヤーが行動を起こすとゲーム側がそれに答えるという感じです。 「シミュレーション」のように見えるかもしれないですが、ゲームとして楽しむための仕組みがハッキリと存在していて、ある特定の結果に導かなければならないという点で、シミュレーションとはプレイ体験が異なると思います。 ゼルダの伝説などの伝統的なアクションアドベンチャーは探索型アドベンチャーと表現されることもありますが、その言葉の通り探索を非常に重要な要素として持っています。探索をしてスキルやアイテムを入手し、それらを利用することで行けなかった場所へ行けるようになりさらに探索する、という体験です。

メトロイドヴァニア / Metroidvania「メトロイド」と「悪魔城ドラキュラ」の英語名「Metroid」「Castlevania」を組み合わせた言葉らしいです。メトロイドヴァニアではなく「メトロヴァニア」と表現されることがあるかもしれないです。 横から見た視点の2Dで、横方向だけでなく縦方向にも広がっているマップを探索するというイメージです。三日ほどプレイせずにいるとどうやって進めればいいのか忘れてしまう、というくらいの広大で入り組んだマップになっていることが多いです。 そうした探索の要素にキャラクターのレベルアップといったRPGの要素が加わったものがメトロイドヴァニアになりますが、とにかく2Dで広大なマップを探索するゲームであればメトロイドヴァニアと表現されている、という感じです。 メトロイドヴァニアは海外から広まった表現ですが、この表現における「Castlevania」つまり悪魔城ドラキュラは「悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲」を指すみたいです。そのため厳密には、広大で入り組んだマップのアクションアドベンチャーにRPGの要素が加わったものはメトロイドヴァニア、RPGの要素がない場合は "メトロイドライク" という使い分けになるようです。 ただ、メトロイドヴァニアは人気の高いジャンルなので、実際にはそうじゃなくてもマーケティングとしてその言葉が使用されることがあるかもしれないです。なので "月下の夜想曲のようなゲーム" を求めている場合は、ジャンル表記だけでなくストアの説明やトレイラーなどでしっかり確認したほうがいいと思います。

現在、アクションアドベンチャーというジャンルは非常に把握しづらい状況になっています。もともとアクションアドベンチャーなのかアクションRPGなのかといった混乱は生じやすかったのですが、探索型かどうかという分かりやすい基準がありました。 しかし、例えばオープンワールドを採用したゲームなどは探索の要素がプレイ体験に大きく影響するし、「Stardew Valley」や「My Time at Portia」のような「ライフシム(ライフ・シミュレーション)」と呼ばれるゲームは、探索をして何かしらの結果を得るというものを重要な要素として含んでいることが多いです。そのため、アクションアドベンチャーと表記されていないゲームだけど、プレイ体験としてはアクションアドベンチャーに近いと感じることが増えてきたと思います。そこにアドベンチャーなのかアクションアドベンチャーなのかといった分かりにくさも加わります。 これはアクションアドベンチャーの下に細分化しなければならない状況なんだと思いますが、それはとても難しい作業でもあるので追いつかない可能性もあります。もしかしたらアクションアドベンチャーというジャンルはゼルダの伝説などの伝統的なものに対しての表現として残り、それに当てはまらないゲームは外に飛び出して独自のジャンル表現を築いていくことになるかもしれないです。