Endling - Extinction is Forever
- Steam/GOG/PlayStation 4/Xbox One
- 2022年7月19日
キツネが主人公のアドベンチャーです。食べ物を確保するというサバイバルが重要なため、ゆっくり探索したい人には向いていないと思います。 もし「This War of Mine」をプレイしたことのある人はそれを思い出してください。このゲームは、そこまで難しくはないのですが、仕組みを理解しなければ子供を守れません。 もし動物になってゆっくり探索をしたいのであれば、あなたはネコになるべきです。
キツネの最後の生き残りが子供を産みました。しかし1匹の子供が人間によってさらわれてしまいました。プレイヤーは親ギツネとなり、さらわれた子供を見つけ出し、そして生き残ることを目指します。 一緒にいる子ギツネは時間の経過によって腹が減ります。そのため食べ物を見つけて食べさせないと死んでしまいます。 キツネは外敵に対して攻撃できません。吠えて怯ませることはできますが怪我を負ってしまいます。怪我は巣で眠れば治ります。 子ギツネは特定の場所で発生するイベントによってアビリティを入手します。ただし、ジャンプ以外のアビリティについては子ギツネによって何を入手できるかが違います。 親ギツネが死ぬか子ギツネが3匹とも死ぬとゲームオーバーですが、直前のセーブからやり直すことができます。
食べ物がなければ死んでしまうという緊張感はやはり大きくて、けれども同時に、それは傍観者による残酷な感想だと分かっていても、そのなかで見せる何気ない姿は美しいし愛しいと思うこともある。 でも子ギツネを死なせてしまったときの後悔は厳しい。「ああ、なんで自分はあのとき探索を続けてしまったんだろう」って。そして「キツネ可愛いなあ」と彼らをゆっくり眺め、「どうせ食べ物なんてすぐ見つかるようになってるんでしょ」となめた態度でプレイしていた自分に対する怒りすら感じます。 死なせてしまったという事実を抱えて、そしてクリアした後に思う。2週目をやらなければ。ゲームなんだから、それができるのだから、だからそうするべきだと。それが子ギツネの死を無かったことにするための都合の良い理屈であり、守りたいのは子ギツネではなく壊れそうな自分の心なんだとしてもそれでいい。全力で攻略し、自分の心と一緒にすべての子ギツネも守ろう。 そう思ってプレイし守りきりました。
ゲームプレイですが、プレイ時間は4時間ほどだと思います。さらわれた子ギツネを見つけなくてはいけないのですが、生き延びることができなければゲームオーバーなので、常に食べ物の確保という不安を抱えてプレイすることになります。 基本的に昼は寝て夜に活動します。昼でも活動できますが人間が出歩くので止めたほうがいいです。下手すると遠回りが必要になって余計に腹が減ってしまいます。 さらわれた子ギツネの手がかりを辿るのは時間がかかるので、腹が減っていると追跡しきれないです。そのため無理せずに昼間は寝て、手がかりを辿るときにできるだけ満腹に近い状態で挑めるようにしておくのがいいと思います。 果実やゴミなどは何度か寝たあとで再出現するので場所を覚えておきます。いざというときの食べ物の確保が容易になります。これは非常に大事なことです。 そうやってただ食べて寝るというだけのゲームですが、一日を無事で過ごせたという安心と、明日はどうなるか分からないという緊張を感じられると思います。
序盤から中盤にかけての難易度がガチガチに調整されていて、9日目~12 日目と19日目~21日目が空腹になりやすくなっています。そのため子ギツネがアビリティを覚えていないと厳しいです。特に9日目~12日目は非常に厳しいので、この期間に子ギツネを死なせてしまうかもしれないです。 終盤は子ギツネのアビリティが充実することもあって楽になりますが、それまでの探索は夜の間に往復できる範囲で行い、昼間は寝て、そして最低でも腹八分くらいの状態を維持したほうがいいです。また、ゲームの仕組みとして、さらわれた子ギツネの手がかりはゲーム内の日数が経過しないと出現しないようになっています。なので腹が減る前に寝て日数を進めてしまったほうが有利です。 もし空腹になってしまったら、その子ギツネを咥えて走って果実とゴミを見つけて回ります。そのためにも果実とゴミの場所は必ず覚えておくべきです。空腹になってから死んでしまうまでの時間はすごく短いので探し回っている余裕はないです。
どうしても子ギツネを守れないようなら "すでに探索した場所には行かない" ということを意識してプレイすれば乗り切れると思います。夜が明けそうになったら巣に戻って寝て、起きたら探索する方角を決めてマップの黒い部分をなくしていく、というふうに一日一日を過ごしていけば、子ギツネのアビリティも充実してきて楽になってくるはずです。 私は初見プレイで子ギツネを2匹死なせてしまいました。これは探索に対する欲求を優先させてしまった結果です。しかも2度。そんな私だからこそ、これからプレイする人にお願いします。 私と同じ過ちを犯さないでください。
私はネコではなく、後日ネコにもなるつもりですが、キツネになることを選びました。 そのキツネは気になるものに顔を向けて見つめたり、その子供は浅い川でも足が着かないので泳いだり、そういった細かい部分もしっかり作られていて没入感は大きいです。 でもその没入感を損なう残念なものもありました。いくつかの場面でキツネの表情や振る舞いが少し擬人化されていることです。それによってプレイヤーの抱く感情を誘導しているのですが、これは止めて欲しかった。このゲームはそんな誘導などなくてもキツネたちに対する愛情は芽生えるようになっています。例えば巣穴で眠っているだけの姿は不思議といつまでも眺めていられるし、無事に戻れたことへの安心感も得られます。そして食べ物に集まって一生懸命食べている子ギツネの姿は本当に愛しい。 それらは生き延びるという緊張感の中で見せる姿だからこそ得られるものだし、それを実現できています。だから、誘導などせずに私たちプレイヤーの想像力を信じて欲しかったなと思います。