Untitled Goose Game ~いたずらガチョウがやって来た!~
- Epic Games/Steam/Nintendo Switch/PlayStation 4/Xbox One
- 2019年12月16日/2020年9月24日/2019年9月20日/2019年12月17日
ボタンを押せばガァと鳴く。はたから見ればガチョウのいたずら、でもプレイヤーは大真面目。 とても不思議なパズルゲーム。
ガチョウがいたずらをするというくらいのイメージだったのですが、プレイしてみたら凄くしっかりしたパズルゲームでした。それに気付いたときは「自由にいたずらできるわけじゃないのか」と少しガッカリしてしまったのですが、でもプレイを続けると不思議な没入感。 プレイ体験としてはパズルで、プレイヤーは解き方をイメージして色々なことを試し、手順を探し、そして先に進めていくことになります。けれども……。 まるでセリフのない映像作品を見ているような気がしてきます。自分が "Untitled Goose Game" というタイトルのガチョウがいたずらするという映像作品を作っている感じです。パズルを解くことを頑張っていれば、自然とガチョウがいたずらをする映像になります。
プレイヤーは本当に真面目にやっていて、いたずらしているという感覚はないんです。でもゲームの映像を見ると、いたずら好きのガチョウに人々が振り回されているように見える。 プレイヤーにとってガチョウの行動はパズルを解くための大事なものなんですが、ゲームの世界の人々にとってはプレイヤーのパズルを解く行為はいたずらなんです。 真面目に考えパズルを解いているプレイヤーと、ゲーム映像から得られるいたずら感。このギャップが凄く面白かったです。プレイしている本人だけでなく、ゲームプレイを見ている人も楽しめるかもしれません。
ゲームプレイですが、プレイ時間はパズルを解けるかどうかで変わってきます。特に詰まることがなければ5~6時間くらいかなと思います。 場所ごとにお題が設定されていて、そのお題をクリアすると通れなかったところが開放されて次の場所に行けるようになります。全ての場所のお題をクリアすればゲームクリアです。 ゲームクリア後は最初に戻りますが、初めから全ての場所に行ける状態で新たなお題が設定されます。それをクリアするとご褒美をもらえます。その分も含めると10時間以上になるかもしれないです。
街の人々は基本的にパズルゲームとして動きます。そのため、純粋にいたずらだけを楽しむというプレイにはならないと思います。 お題はノーヒントなのでクリアするのは結構難しいです。あれこれやっていたらクリアできていたということも多かったので、とりあえずいたずらをしていれば何かが分かるかもしれません。ただ、クリア後のお題「フェンス越しに投げられる」は全く分からなかったので攻略情報を見ました。 また、クリア後のお題の中には、いわゆる「スピードラン」と呼ばれるプレイスタイルが求められるものもあります。制限時間内に終わらせる必要があるため、スピードランが苦手だとつらいのですが、クリア後のお題をコンプリートすると可愛いアイテムを1つプレゼントされるので、頑張って挑戦してみてもいいかなと思います。
パズルゲームをプレイしていると、ゲームの映像とかはどうでもよくて解き方だけが重要になってくることがあります。キャラクターが人だとかガチョウだとかはどうでも良くて、全ての要素が、なんていうか "記号" みたいに思えてくる。人のように見えるだけ壁のように見えるだけで、それらは単なるルールだという感じ。 でもこのゲームは、その記号に見える状態にプレイヤーが入ったときに、映像によって、ガチョウがいたずらしているという感覚へ引き戻してくれます。そしてクスクスと笑い、クリアとは関係のないことをしたくなる。 ゲームでありルールであるという感覚とガチョウのいたずらという感覚、頭の中でこの2つを行き来する感じが不思議と気持ちいい。そんなゲームでした。