Rollerdrome

  • Steam/PlayStation 4, 5
  • 2022年9月17日

ローラースケートでトリックを決めながら敵を倒すという風変わりなTPSです。 とても難しいです。トレイラーを観ると「ローラースケートでマックス・ペイン?!」と思うかもしれないですが、アリーナかつ怒涛のウェーブなシューティングです。そのため、DOOMやシリアス・サムをプレイするときのような気持ちで挑んだほうがいいです。 また、スコア設定が高めになっているので、スコアアタックを楽しめるかどうかも重要だと思います。

プレイヤーは主人公のハッサンを操作し、ローラードロームという競技で優勝を目指します。 予選から決勝までのトーナメント方式で、各ステージには「3回のコンボを成立させる」といったチャレンジが用意されています。そしてトーナメントの上位のステージは、指定された数のチャレンジを達成しないとアンロックされないという仕組みになっています。そのため、ただ勝つだけでは上位のステージをプレイできません。 各ステージには基準タイムが設定されていて、それを超えるとペナルティによってスコアが減らされ、早かった場合はボーナスによりスコアが増えます。

トリックはジャンプ中に行う「グラブ」と手すりなどの上を滑る「グラインド」があり、どちらも13個のトリックが用意されています。グラブの場合はさらに「スピン」と「フリップ」という横と縦の回転を加えることができます。 これらのトリックを成功させるとスコアを獲得できますが、一度決めたトリックは、同じものを使用するたびに獲得できるスコアは減っていきます。また、トリック中に敵を倒した場合もスコアを獲得できます。 銃の弾薬はトリックを決めると補充されるという仕組みになっています。そのためトリックを決め続けなければ勝てません。

銃は全部で4つありますが、最初からすべて使えるのではなく、ゲームを進めることで1つずつアンロックされていきます。 拳銃とショットガンは敵が射程内に入ればオートでロックオンしてくれます。ほかの2つは自分で狙う必要があります。 「リフレックスタイム」でスローモーションにすることもできます。また、敵の攻撃をタイミング良く回避する「パーフェクトドッジ」の直後にリフレックスを使用するとスーパーリフレックスになり、リフレックスの有効時間と与えるダメージが増えます。

ゲームプレイですが、プレイ時間は予想できないです。操作に慣れるまでに時間がかかるのと単純に難しいということもあり、とりあえずのクリアでも6~12時間くらいで幅があると思います。 初めは「オートエイムにリフレックなら大丈夫だろ」なんて思ってましたが、甘かったです。敵の特徴や配置を考慮して戦わなければならないので、単純にトリックを決めて撃ってるだけでは厳しいです。 例えば高い場所にいる敵に対してはジャンプを駆使して狙う必要があるし、シールドを装備している敵の場合は一旦よろめかせてからでないと倒せません。 「とりあえずシールドをふらつかせておいてトリック中にスナイパー倒してから引き返してショットガンでトドメ刺す」といったことを1~2秒ほどの間に判断し続けることになり、私の頭は爆発しそうでした。というか爆発してたかもしれません。

ステージをクリアするだけなら時間をかけて戦えばいいのですが、スコアを伸ばすとなるとそうはいきません。 本当にいつ終わるんだという怒涛のウェーブに圧倒されてしまうくらいなのに、その中でトリックやらなんやらを考えて基準タイムを超えないように立ち回るのは相当な集中力を必要とします。 地面には地雷がバラまかれているし空からはロケット弾が追ってくるしスナイパーの射線が常に狙っているしで頭も手も足りないという感じで、ひとつひとつの行動を終えるたびに次の行動をつぶやきながらプレイしてました。

Aランクくらいまでスコアを伸ばしたいというときはコンボを重視してプレイすればいいのですが、Sランクを目指すとなるとトリックも必要になってきます。 Sランクを獲得するためには「コンボスコア」が重要で、これは「トリックスコア x コンボ数」になります。そのため、コンボが途切れないようにしつつトリックを決め続けることでコンボスコアを伸ばせます。 また、「コンボトークン」というアイテムをすべて集めてコンボ数を上乗せすることで、さらにスコアを伸ばせます。 この感想を書いている時点で予選はすべてSランクを獲得しましたが、それより先のステージは無理なんじゃないかなと思い始めてます。

もし「楽しいんだけどすぐにやられてしまうのが嫌」という場合は、「アシスト」を利用すれば気持ちよくプレイできると思います。アシストはスタート画面の「設定」にありますが、プレイ中のポーズ画面からも利用できます。 受けるダメージを減らしたり弾薬とリフレックスタイムを無限にしたりできるなど充実した内容になっているので、自分に合った設定を見つけられると思います。 ただし、アシストを利用した場合のスコアは「リーダーボード」というオンラインでのスコアランキングに登録されません。

このゲームは本当に難しいのですが、トリックと敵の撃破が両立したときの快感は凄まじいです。たぶん精神的な意味で、とにかくトリック決めてなかったら負けみたいな感覚になると思います。 そして頭が回らなくなったとき、次にとるべき行動を言葉ではなく記号のような感覚で理解し、何か無意識のうちに体が動いているような感覚におちいることもあります。 もしかしたら、敵の数と激しい攻撃に圧倒され、そして混乱によって自分の脳が爆発してからがこのゲームの本番なのかもしれないです。