FINAL FANTASY XII
- PlayStation2
- 2006年3月16日
「守りたいものほど守れはしない 違うか」 今も覚えているセリフです。
「これは、なんだろう」 それが初プレイでの感想でした。なんだこれって。 そして1度クリアしてから2週目をプレイしている途中で、本当に突然、バトルが楽しくて仕方がないと思うようになりました。そう、ガンビットの面白さに気づいたんです。 このガンビットを楽しめるかどうかでゲームの体験が変わる。バトルの体験が変わるんです。本当にガンビットがプレイ体験の中心でした。ガンビット、ガンビット、ガンビットです。
ガンビットというのは、"HPが半分まで減っているキャラがいたら回復魔法使う" とか "火に弱いモンスターがいたらファイラで攻撃" とかを事前に設定しておくという仕組みのことです。キャラクターはその設定に従って行動するのでコマンドを入力する必要はありません。 とても細かく条件を指定することができて、各設定の優先順位も重要になってきます。例えば、あるキャラクターを優先して回復などしてほしいと思う場合、そのキャラクターに対する回復の優先順位を上げておくと、他のキャラクターは自分たちに対する行動を後回しにしてそのキャラクターを回復してくれます。しかも、自分たちに対して何か魔法を詠唱中だったといった場合は、それをキャンセルして優先順位の高いキャラクターの回復に切り替えます。 その指定できる条件の多さと優先順位によって、まるでキャラクター自身が意思を持って動いているかのように思えてきます。
FF12にとってガンビットは本当に重要です。 ガンビットによる行動は条件を満たした瞬間に行われるので、手動で行動を指定する場合と比べて段違いに速いです。その違いがバトル中に積み重なると20手とか30手とかの違いになります。 自分の場合は2週目をプレイして、やっとそれに気づいたんです。そして考え方をガラっと変えました。ガンビットによる行動は手動での行動よりも速いのだから、手動で倒せる敵はガンビットで倒せるはずだよねって。でも実際はガンビットの枠が足りなくて設定できない行動もあるので、そこは手動で補おうって。 そこにはプレイヤーがキャラクターの行動を決めるというよりも、キャラクターの行動をプレイヤーが評価して補助していくという感覚がありました。そんな体験をしたRPGは、今でもFF12だけです。
ガンビットガンビットってそれしかないのかって感じですが、もちろん音楽も素敵でした。 ダルマスカの軽快さ、東ダルマスカ砂漠に出たときのワクワク感、打って変わって西ダルマスカ砂漠の陰鬱さ。そして召還獣戦の重々しさとボス戦の興奮。どれも良く覚えていますが、サリカ樹林の神秘的だけど何だか可愛らしい感じは大好きでした。 終盤で父親と息子が対峙する場面があるのですが、バトルへ突入する前の会話のときに音楽が流れ始めるんです。そしてバトル開始。気持ちが盛り上がって、セリフと音楽を聴きながら何度もコントローラーを握り直してました。 それと地味に嬉しかったのが盾で防御したときの効果音です。盾はFF6以降なかったんですけど、盾で防いだときの「キンっ」って音が大好きだったんです。それをリアルにした感じの「コンっ」っていう効果音が聞けて嬉しかったです。
そしてUI。メニューとかのことですね。結構シンプルな感じなんですけど、操作してるときの感覚とか音とか、あと武器の画像とか、色々なものにこだわりを感じました。 戦闘中にメニュー開いたときに「このメニュー、やっぱり良いよなぁ」って眺めてしまうこともありました。
ゲームプレイですが、セーブデータは160時間くらいのものが8つくらいあったと思います。8週したってわけでもないですけど、300時間は越えてるかなと思います。モブって呼ばれる強いモンスターがいるのですが、倒したあとの再戦ができないので、好きなモブごとにセーブデータを作ってました。 ガンビットを楽しめた場合、FF12の本番は終盤からになります。たぶん中盤くらいまではガンビットの枠が足りないと感じることが多いと思います。 そしてガンビットがピッタリくると見てるだけです。このゲームってそんなゲームなんです。キャラクターが戦ってるのを見てるだけ。でもなぜか楽しくて仕方がない。逆に、ガンビットが嫌だと楽しめないのかもしれません。 プレイヤーによる設定に対してキャラクターたちがどう戦うのかを見るという楽しみかたは、まるでシミュレーションをプレイしているかのように感じることもありました。
自分の場合はFF12は2回プレイしました。最初は発売してすぐ、もう1回は発売から2年後くらいです。再プレイのきっかけになった動画の日付が2008年なのでそれくらいかなって思います。 1回目のプレイでは自分で考えてあれこれやって、持っている装備は店売りが多かったかも。それで必死にプレイしてました。 ストーリーをクリアしたのは1回だけで、それなら何をしていたかというと、ひたすらキングベヒーモスと戦ってました。キングベヒーモスはすごく大きくて、頭と尻尾にパーティが分かれてしまうとお互いのガンビットの有効範囲から外れてしまうほどです。 そんなデカさが嬉しくて、倒されたら再挑戦、倒してもリセットして再挑戦という感じでひたすらガンビットを試してました。
そしていつの間にかプレイしなくなっていた何年後かに、ある動画を見てしまいました。 それはヤズマットという最強のモンスターを、キャラクターを操作せずにガンビットだけで倒すという内容でした。「全自動ヤズマット」って呼ばれてます。コントローラーは輪ゴムでボタンを固定して放置です。 この動画を見たときの衝撃は凄かったです。その頃にはFF12って攻略され尽くしているって感じで、魔法の順番待ちなんかもそうでした。ファイラ最強みたいな。色々な動画が投稿されていて、制限プレイのサイトもたくさんありました。
そこからFF12再プレイです。装備購入のためにモンスター倒しまくって素材を集めて、宝箱から低確率で入手できる装備を集めて。もちろん柳生の漆黒も集めました。 ガンビットも1からやり直しました。放置でヤズマット倒せちゃうんですから。それを自分で楽しまないとって思いでいっぱいでした。 それこそニワトリスから始めて、キングベヒーモス、ファーブニル、それに召還獣も。ひたすらガンビットとにらめっこで、ガンビット組むのに20分、バトル5分なんてこともあったりして、考えすぎだって我に返ったこともありました。
そしてヤズマット。全自動を参考にして組んだガンビットで挑戦しました。ヴァンは常に瀕死バーサクでマサムネ振ってるので、サイクロンくるたびに「ニャーっ」って叫んで死んでました。 本当に楽しくて楽しくて、結局はガンビット組み替えてバトル、組み替えてバトルで、倒せるかどうかはもう関係ないって感じでした。
FF12はとにかくガンビットが大事なのですが、さらに細かい仕組みとかを把握しないと厳しい場合もあります。行動の順番待ちとか活力と状態異常の関係とか。それらについては攻略情報を頼ることになると思います。というか攻略情報ないと無理です。 そうやって攻略を楽しんでいれば、なぜバッシュが頼りになるのか、なぜヴァンが優秀なキャラクターなのかということも分かってくると思います。 気楽に悩まずに楽しむこともできるというゲームではなくて、合わない人には全く合わないけど楽しめる人は凄まじく楽しめる、そんなゲームじゃないかなと思います。
今もプレイしたくなるときがある中で、HDリマスターの発表。2017年7月13日発売。 日本版ではなく海外版の「FF12 ZODIAC JOB SYSTEM」のリマスターです。これは大きな違いがあって、海外版はジョブを選んで成長させるという仕組みです。 『FINAL FANTASY XII THE ZODIAC AGE』 TGS2016 Trailer リマスターのトレイラーを見るとコマンド入力をしている様子はないと思います。これがガンビットです。 凄く気になるのが、魔法の「Ardor」 と「Flare」が同時に発動していることです。魔法の順番待ちは無いってことになります。もしそうならどんな派手なバトルになるのか楽しみです。トライアルモードの攻略にも影響ありそう。 『FINAL FANTASY XII THE ZODIAC AGE』スペシャルステージ これを見ていたら、またプレイしたくなってきました。