The Banner Saga
- Steam/GOG/PlayStation 4
- 2014年1月14日/2016年9月1日
旗に紡ぐ物語 Banner Saga バトルがタクティカルなRPGです。バトル以外の部分は絵と文章の表示だけで、ビジュアルノベルみたいな感じです。 続編が発売されていますがストーリーは繋がっています。また、クリアしたセーブデータを「The Banner Saga 2」に引き継ぐことができます。 3作を全てプレイ済みです。
2つの大きなキャラバンがあり、別々の地に集まり旅をします。そして、旅を続けるうちに同じ問題にぶつかることになります。違う場所に集まり、違う理由で旅をする彼らが、いつどのように交わることになるのか。 序盤で町が襲われ長が死亡し、次の長となる人物に "旗(banner)" が渡されます。その旗にはこれまでの様々な物語が縫い込まれています。その物語が集まり "叙事詩(saga)" となります。これが Banner Saga です。 そして、問題の解決のために人々が集まり、違う地域、違う種族の旗が一つに縫い合わされ、やがて大きな Banner Saga となります。プレイヤーは彼らの saga を体験することになります。
ゲームを進めると頻繁にイベントが発生します。ストーリーを進めるうえで必ず発生するイベントもあるし、ストーリーとは関係のないイベントもあります。 プレイヤーに対して選択肢が提示され、どれを選ぶかで会話が変わったり仲間が増えたりバトルになったりします。選択の結果は、ゲームを数時間進めたあとにわかるなんてこともあります。RPGというよりもRPGの要素を含んだビジュアルノベルと感じることもあります。 ストーリーは決まっているので、選択によって変わるのは仲間キャラクターやストーリーとストーリーの合間の出来事になります。戦闘を避けるか戦いまくるか、規律を乱す者を罰するか許すか、他者を助けるか無視するか、どういう旅になるかはプレイヤーによって変わると思います。 タクティクスに慣れているプレイヤーであれば、バトルについては単調に感じてしまう可能性もあるので、このビジュアルノベルな感じを楽しめるかどうかは大事なことかもしれないです。バトルはどうでもいいという場合は、難易度をイージーにしてしまってストーリーや選択に集中するのがいいと思います。
キャラクターの育成は「名声」「倒した敵の数」「昇格」の3つで行います。バトルに勝利すると名声というポイントを入手できます。イベントなどでも入手できます。ポイントはパーティで共有です。この名声を使って各キャラクターを昇格させると、ステータスを上昇させるためのポイントを2ポイント入手できます。ポイントはプレイヤーが自由に割り振れます。 キャラクターを昇格させるには、決まった数だけ敵を倒している必要があります。そのため、サポート中心で敵を倒すことがないキャラクターは、名声はあるけど昇格させられないということもあるので注意が必要です。その場合は、キャンプをしたときに行える「トレーニング」で昇格させたいキャラクターに敵を倒させれば安全に倒した敵の数を増やせるので利用するといいかなと思います。 ステータスの上限は決まっているので、やたら攻撃が高いキャラや、ひたすら防御に振ってカチカチのキャラというのは作れないようになっています。 また、キャラのレベルは5が上限です。Banner Saga 2 では10が上限です。
バトルはターン制ですが特徴的な仕組みがあります。それが "相手が最後の一体になるまでは必ず敵味方交互にターンが回ってくる" というものです。 例えば、味方4人と敵2人のバトルの場合、味方の行動4回に対して敵は2回ではなく、敵も味方も行動回数は4回です。味1→敵1→味2→敵2→味3→敵1→味4→敵2、というふうに味方に対して敵は2倍の行動回数になります。 この仕組みがプレイヤーを悩ませ、最後の1体になるまでは油断できない状況が続きます。 4ターン先とか5ターン先とかを予想してプレイする場合は、敵味方交互にターンが回ってくるということを強烈に意識しておかないと、たった一つの思い違いで、考えた時間が無駄になってしまうことがあります。 プレイスタイルにもよると思いますが、タクティクスに慣れていないと中盤くらいからは1回のバトルで30分以上かかるかもしれないです。ストレスが強いのであれば難易度を下げてしまったほうがいいかもしれません。イージーだとノーマルよりも敵のステータスは3割か4割くらい低くなります。かなり弱いです。
バトルで倒れると「負傷」という状態になりステータスの「力」にペナルティを負います。負傷は町の宿やキャンプで休むと治療できますが、治療に必要な日数はキャラクターによって違います。力が強い種族の場合は負傷によるペナルティが大きくなるみたいですが確実な条件は分かりません。また、負傷していてもバトルに参戦できるので、負傷したまま問題なく勝てることも多いです。 全てのバトルで試したわけではないので断言はできないのですが、ストーリーと関係のないバトルは、負けてもゲームオーバーにならずにゲームは進行するみたいです。ストーリーを進めるうえで必ず発生するバトルの場合は、ゲームオーバーになるものもあるし、ならないものもあります。そのため、特に何も考えなくても進めていくことはできるのですが、バトルの結果はキャラクターの育成にも影響するので、ゲームオーバーになるバトルのときに、いわゆる "詰んでしまう" こともあります。そのときは難易度を下げてみるか、場合によっては前のセーブデータからやり直す必要があるかもしれません。あまりビクビクする必要はないと思いますが、不真面目がすぎるとゲーム進行が難しくなるかもしれないです。
ゲームプレイですが、たぶん16~20時間くらいかなと思います。バトルのプレイスタイルとか、選択肢による展開の違いなどにこだわるのであれば20時間以上になると思います。 やっぱり "必ず敵味方交互にターンが回ってくる" というバトルに慣れるのが大変でした。本当に1つの思い違いで5分くらい考えた戦術が無意味になるなんてことが多かったです。 敵はひたすら突っ込んできます。素晴らしく賢い敵だとバトルが膠着してしまう可能性もあるので、それはそれでゲームとしてどうかとも思いますが、それを考慮してもアホかと思うくらい突っ込んできます。「敵は全力で戦えていいよな、次のバトルを気にして負傷したくないとか考えなくてもいいし」とRPGやタクティクスで敵に対してプレイヤーが抱えることもある "決定的な不公平" を強く感じました。なので基本的に相手の攻撃を受けて倒すという安全第一なバトルでした。
バトルで使えるキャラクターはたくさんいるのですが、育成に必要なポイントは限られているので、初見から色々なキャラクターで戦うということは難しいと思います。自分の場合は固定メンバー6人にサブ2人という感じでした。固定とサブが負傷して力が減っていても、そもそも他のキャラは育成をしていないので負傷したキャラより弱かったりします。 固定メンバーにしても、攻撃役は力を上げきったらポイントに余裕ができるまで育成を止めるとかして何とかサブを確保した感じです。イベントによっては一時的に(場合によっては永久に)離脱するキャラもいるので、サブのメンバーを確保しておくといいかなと思います。 育成したキャラで厳しいのかなと思っても、何とか時間をかけて勝つ方法を見つけて進めていきました。まさにタクティクス。戦略無視の戦術プレイ。 難易度をイージーにすると負傷によるペナルティがなくなるので、倒して倒され最後に立っているキャラが味方であれば勝利できるという、バトロワな感じの殴り合いで進めることもできます。なのでバトルでのストレスが強いならイージーで進めるのがいいと思います。
イベントでの選択によってはキャラクターの生死に関係してくるものもありました。しかも、バトルに四苦八苦して2~3日プレイしてきて「さぁ、今日は腰据えてやろうか」と楽しんでいたら突然にイベントが始まって思い入れの強いキャラが死亡してしまい呆然となりました。基本的に初見プレイでは巻き戻してやり直すということはしないのですが、今回は精神的にきつかったのと自分の戦い方の中心になるキャラだったのでやり直しました。その頃にはバトルにも慣れていたので時間はかからなかったですが、元となったイベントの前からやり直して2~3時間くらいはかかったと思います。
自分に合った戦いかたを見つけると、余裕ではないですが単調な作業に感じることもありました。でも、その "単調な作業にもっていくまでの過程" がタクティクスの楽しみでもある気がします。「これで勝てる」という方法を見つけたら、あとは手順を入力して自動で戦ってくれるくらいでも楽しめるのかもしれません。
「The Banner Saga 2」が発売されたときに 1 と 2 を続けてプレイしたのですが、とにかく没入しました。バトルが終わった後などに、ハッとして現実に戻ると生活音が聞こえてくる、そして疲れを感じ終了する。そんな感じでゆっくりと3ヶ月くらいはプレイしていたと思います。乱暴な表現ですが、"洋ゲー" という感じでした。本当に洋ゲーなので当たり前なのですが。 最近はFF15をやって二ノ国2をやって次はドラクエかゼノブレイド2だなと思っていたときに思い出してしまった「The Banner Saga 3」。JRPG続きだったので上手く気持ちやプレイスタイルを切り替えられるか悩みましたが、結局は先にプレイしてしまいました。
商品は色々なプラットフォームで発売されていてお得パックみたいなものもあり、非常に把握しづらいです。日本の場合は基本的にダウンロードのみでパッケージ販売はないみたいです(2018年7月時点)。海外ではNinntendo Switch版もあるようですが日本でも発売されるかどうかは不明です(2018年7月時点)。 Steamだと「Banner Saga Trilogy」という3作セットの商品があります。 --- The Banner Saga --- Steam/GOG/PlayStation 4 2014年1月14日/2016年9月1日 --- The Banner Saga 2 --- Steam/GOG/PlayStation 4/Xbox ONE 2016年4月19日/2016年11月17日/2016年08月16日 --- The Banner Saga 3 --- Steam/GOG 2018年7月26日 --- 『Banner Saga 1 & 2』コンプリートパック --- PlayStation 4 2016年11月17日 --- Banner Saga Trilogy --- Steam 2018年7月26日