ジャンル把握のススメ 2022
用語など

フリーローム / Free roamジャンルではないです。ノンリニア(Nonlinear)と表現されるほうが多いかもしれないです。 街Aより先に街Bに行くこともできるし、クエストAより先にクエストBを受けることもできるといった、ゲームの進め方に制限がない状況を指しているイメージです。 ゲームの進行上発生する、どこに行くのも何をするのもプレイヤーの自由である期間を指してフリーロームと呼ぶこともあります。FF15のチャプター8とチャプター15(ストーリークリア後)のイメージです。 「オープンワールド」と同じではあるのですが、フリーロームというのは自由に楽しむというプレイスタイルに対しても使うことができる表現です。 「ロマンシング サ・ガ」などはスタートからゲームクリアまでの過程において、用意された要素をプレイヤーの好きな順番で楽しむことができ、そして無視することもできます。そういった点からフリーロームなゲームと呼べるかもしれないです。

サンドボックスジャンルのような気もするしジャンルではない気もします。 ゲーム側によって仕組みだけが用意されていて、プレイヤーはその仕組みを利用して自由に楽しむというイメージです。 どういう体験になるかはプレイヤーによって違うという感じになると思います。 「フリーローム」というイメージを含んでいるように見えます。 例えば、小さな丸い石と木の棒が落ちているとします。そしてサンドボックスというのは単にそれだけです。その石と棒で何をするかはプレイヤーが決めます。もし木の棒で石を叩いて転がしたのであればゴルフになるし、投げた石を木の棒で打てば野球になります。木の棒は無視で、遠くにある木の幹に石を転がしてぶつければボーリングになります。 そんな感じで、ゲーム側は特に何も示してこないけど遊ぶための仕組みは用意されているというイメージです。

オープンワールドジャンルではないと思います。どこからがオープンワールドなのかという線引きが難しいです。 マップの切り替えがない広いフィールドというのが特徴の1つです。でも、広いというのがどれくらいなのかが分かりません。 また、移動についての制限が少なくてゲームの進め方が自由であるという特徴も持っています。ある地域に行くためにはストーリーを進めて決められた道を通る必要があるといった流れではなく、プレイヤーが好きなときに好きなところへ向かうことができるという感じです。そのため、「フリーローム」のイメージを含んでいるように見えます。

アイソメトリック / Isometricジャンルではないです。「2.5D」と表現されることもあります。 斜め上から見下ろす感じの視点で描かれる映像のことです。「タクティクスオウガ」や「ファイナルファンタジータクティクス」などの映像がそうですが、ストラテジーやRPGなどのゲームに対して使われることが多いかもしれないです。

○○ライクジャンルではないです。 「ディアブロライク」の場合は「ディアブロ」のようなゲームということになります。「ソウルライク」の場合は「デモンズソウル」「ダークソウル」のようなゲームということになります。 凄く分かりやすい表現ですが、元となっているゲームの仕組みなどについてプレイヤー間で十分に認識されていないと使えない表現のような気がします。また、元となっているゲームをプレイしたことがないと全く通じない表現です。

ローグライトジャンルではないと思います。 「ローグライク」の仕組みのうちの一部を要素として含んでいるゲームに対して使われる表現です。ほとんどの場合、マップや敵の配置などがプレイするたびに違うというものになると思います。 多くのゲームがローグライトと呼ばれていますが、特にアクション系のゲームに多いと思います。

ハックアンドスラッシュジャンルとして表現される場合とプレイスタイルとして表現される場合があります。ハクスラと呼ばれることもあります。 何かしらの目的を達成するためにバトルをこなすのではなく、バトルそのものが目的となる感じです。バトルによる報酬はバトルをするという目的の手段になります。 ハクスラなゲームはバトルそのものを目的とするプレイスタイルに応えることができるゲームというイメージです。そのためプレイスタイルとして表現する場合はジャンルに関係なく使われます。 ジャンルとして表現されるのはRPGのゲームに多いような気がします。

バトロワジャンルのような気もするしジャンルではない気もします。 生き残りをかけて他のプレイヤーと競い合うゲームのことで、「PUBG」「Apex Legends」「Fall Guys」などがあります。 マルチプレイの場合に使われることが多くて、シングルプレイの場合は「サバイバル」と表現されるかもしれないです。

スローライフジャンルではないです。 ゲーム側が目標の設定を示してこなかったり目的の達成を求めなかったりするときに感じることがあります。「アクションアドベンチャー」や「シミュレーション」などに多い気がします。 「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」などは、ゲーム側によって誘導されているという感じがしないので、プレイヤーの好きなペースでゲームの要素を楽しむことになります。特に何かを達成することもなく楽しむ場合はスローライフだと感じるかもしれません。

コレクタソン / Collectathonジャンルではないです。「コレクト」と「マラソン」を組み合わせた言葉みたいです。 コインなどのアイテム収集を必要とするゲームに対して使われる表現です。ゲームの目的自体がアイテム収集の場合もありますが、例えば「The Spirit and The Mouse」のような、キャラクターの能力を発揮させるために必要だったり、アイテム収集のクエストがメインであるといったゲームに対しても使われます。 また、アイテムの収集はゲームクリアに必須ではないけれど充実していて楽しめる、といった場合にも使われるかもしれないです。 あまり見聞きすることはないかもしれないですが、探索して宝箱を開けて回るといったゲームプレイが好きな場合に「コレクタソンが好き」と表現できて便利だと思います。

ポストアポカリプス / Post-apocalypticジャンルではないです。 世界観などの設定のことで、何かしらの理由によって世界が荒廃した状況や人類が滅亡の危機に瀕しているような状況を指します。気候変動であったり大きな戦争であったりと、荒廃した理由はゲームによって異なると思います。 「Rage」「Last of Us」「Horizen Zero Dawn」「Death Stranding」「Stray」など多くのゲームで使われている設定です。「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」などもポストアポカリプスと言えるかもしれないです。

サイバーパンクジャンルではないですが、例えば「ホラー」のようにシステムなどで定義できないけれどもジャンルとされているものもあるので、将来的にはジャンルと認識されるかもしれないです。 世界観などの設定のことで、定義としては近未来かつディストピアンで、人々がモラルなどを含めて望んでいなかった状況に陥っていること、そしてハイテクだけれども人々の生活は健康的ではない、みたいなものがあるようです。 映像としては、例えば欧米のゲームなどで、近未来のハイテクできらびやかなネオン街に変な日本語の看板があったりするというのを見かけることがあると思いますが、そういったイメージでいいんじゃないかなと思います。

スチームパンクジャンルではないです。 蒸気機関が活躍している世界という設定のことですが、"19世紀の人々が思い描く近未来" というイメージです。 「FAR: Lone Sails」や「Sunless Skies」のようなはっきりとしたものもありますが、なんとなくそれっぽいという感じが多いと思います。「ワンダープロジェクトJ 機械の少年ピーノ」「ファイナルファンタジーVI」「グランディア」なんかはスチームパンクっぽさがあると思います。 蒸気機関が登場した当時の人々からすると、その近未来は "蒸気機関がとても発達した世界" で、それが煙を吐いて移動する家とかだったりするんだと思います。そういった蒸気機関のイメージを取り入れたものがスチームパンクなのかなと思います。 もしかしたら23世紀くらいになると、現在の私たちの描いた近未来を "デジタルパンク" とか言って楽しむのかもしれないです。

ウォークスルー / Walkthrough攻略情報というイメージです。 プレイ動画のタイトルなどでは攻略というよりも、ストーリーなどに従って進めている動画ですよ、という感じで使われている気がします。ウォークスルーではなく「フリーローム(free roam)」という表現が動画のタイトルで使われているときは、ストーリーとかは無視で自由に楽しんでいる動画ですよ、というイメージになります。

マスターピース / Masterpieceジャンルではないです。 ときどき「マスターピース」と表現されるゲームがあります。「ワンダと巨像」が有名かなと思います。 あるジャンルやプレイ体験を語るうえで欠かすことのできないゲーム、という意味合いで使われると思うのですが、「神ゲー」みたいな感じで割と気軽に使われてます。

ナラティブ / Narrativeジャンルではないです。 凄く分かりにくい表現です。プレイ体験(プレイヤー側)としてナラティブなのかストーリーの仕組み(ゲーム側)としてナラティブなのかが分かりません。 でも、プレイしたゲームのどこが好きなのかという話をするときに、"ナラティブだから" という表現が使えると凄く便利な気もします。 個人的な感想になりますが、2018年頃には、素直に "体験=ナラティブ" と考え、その体験を "プレイヤー自らが作り出すことができるゲーム" というイメージでいいのかなと思っていました。これはプレイヤーによってその体験が異なるということでもあり、プレイヤー側の話になります。具体的には「ドラゴンクエスト3」の転職システムによる体験や「ゼルダの伝説 時のオカリナ」の3D空間が思い出されます。 でもこれが違っていたみたいで、2022年の時点では「ゲームプレイによってストーリーが描かれる」といった意味で使われていることが多い気がします。例えば「Unpacking」のように、テキストやセリフではなくパズルを解くというゲームプレイによってストーリーが描かれ、そしてそれが成功している場合に「素晴らしいナラティブ」といった表現をするという感じです。そうなると、ナラティブというのはゲーム側、つまりストーリーの仕組みもしくは描き方ということになります。 やっぱり分かりにくい表現だとは思っていますが、"ナラティブ〇〇" という感じでマーケティングとしてナラティブという言葉が使われ始めている感もあるので、割と一般的な表現になったのかもしれないです。