Shadow Tactics:
Blades of the Shogun

  • Steam/GOG
  • 2016年12月6日

どうしてこのゲームをプレイしようと思ったのか、細かいことは覚えていないのですが、「ゲームをやりたい」という気持ちがあったのは間違いないです。 ルールの中でアレコレ考えてプレイしたい。窮屈で不自由だけど、その中で考えて突破したい。 オープンワールドなゲームばかりプレイしていたのですが、軽い気持ちでこのゲームを選んだ結果、痛い目にあいました。だけどクリア後も繰り返しプレイしてしまう、自分にとっての忘れられないゲームになりました。

見下ろし型の潜入タクティクス。潜入と聞くとMGSを思い出しますが、よしステルスするぞ、なんて思っていると悲惨なことになります。 動きの遅いキャラクター、攻撃してから動き出すまでに時間がかかる長いモーション、登れない超えられない障害物、思ったとおりには上手くいかないように配置されている敵兵、限られたアイテム。とくに敵兵の配置は徹底してイヤらしい感じになっているので、触れず倒さず気付かれずなステルス潜入を目指すと難易度が高くなりクリアまでの時間も増えます。

マップがとても広いんですけど、カメラ移動で全て確認することができます。敵兵の配置と動きも全て確認できます。確認できるんですけど、そこがスタートです。よく考えずにとりあえず潜入って感じでは上手くいきません。見つかってタコ殴りにされます。 まずマップと敵兵を見る、地形を確認する、そして考える。それをやっても上手くいきません。そこから、さらに何度もやり直してやり直してやり直して、やっと目的地に到達できます。 とにかく考えます。やって考えて、やって考えて、の繰り返しです。中盤以降は1ステージをクリアするのに2時間くらいかかったりもします。ステージの途中で2~3日プレイせずにいると「あれ?何してたっけ?」ってなります。プレイにこだわらなければもっと短時間でクリアできるとは思いますが基本は長めのプレイになると思います。

操作するキャラクターはハヤト、ユキ、ムゲン、アイコ、タクマの5人です。それぞれ固有の潜入方法があります。ハヤトは石を投げて注意を向けさせる、ユキは罠を仕掛けて敵兵をそこに誘導するとかです。 アイコなんかは変装して気づかれずに進むこともできます。でも変装のための服をステージ内で手に入れなくてはいけないのでツライです。 ムゲンは侍をガチンコで倒せる唯一のキャラクターで、雑魚なら二刀流でまとめて倒せます。 タクマは自分が潜入するのは苦手ですが狙撃ができます。強いです。 この5人を操作して進めていくことになります。

キャラクターを別々に操作して潜入するのがメインではあるのですが、Shadowモードというキャラクターの連携も活用できます。各キャラクターに行動をセットして合図とともに実行するって仕組みです。コレが思ったとおりに決まると凄く気持ちいいです。 単純なものだと、ハヤトに石を投げさせて兵が気を向けてるうちに他のキャラクターが近づいて倒すという流れです。 少し複雑なものだと、侍1人と雑魚2人のグループをユキが誘い出して侍をタクマが狙撃して気絶させて雑魚をムゲンが一気に倒して気絶してる侍をハヤトが倒す、って感じです。

映像もステキでした。紅葉や雪化粧など全体をパッと見たときのキレイさが凄いです。 それと日本語の音声も良かったです。ビックリしました。日本が舞台なので音声も日本語っていう程度じゃなくてホントに良かったです。 音声の良さもあってストーリーも凄く楽しめました。なんていうか、ジワジワと面白さを実感する感じです。 画像はマウス・キーボードでプレイしているときのものです。ゲームパッドとはUIが変わります。

キャラクターの育成とか何かを集める的な要素とかは全くなくて、本当に潜入だけに集中することになります。本当にそれだけです。 楽しいことも面倒なことも全て潜入というプレイによるものです。 クリアしたステージはいつでも再プレイ可能なので、こだわりプレイもやりやすいです。

ゲームプレイですが、難しいです。難易度はステージ開始前に毎回選ぶことができるのですが、ノーマルでも難しいです。 1週目は意地でノーマルをクリアしました。ノーマルが意地っていうのも情けないですが、それくらい難しいです。覚えゲーになる可能性も高くて、MGS3をプレイしたときの感覚に近いです。 それで、まずは敵兵の動きとかのシステムを把握するところから始めました。 自分の基準がMGSだったからだと思うのですが、操作に慣れたりシステムを把握すると凄まじく自由で軽快に進めるMGSとは違って、ステージが進むとドンドン難しくなっていくのでキリがないです。終盤とか「これ、クリアさせる気ないだろ」って感じになります。

初めは、それぞれのキャラクターの短所ばかりを考えてしまっていたのですが、ある時それが変わりました。 倒した兵を別の兵が見つけると警戒して増員を呼びます。増えちゃったら大変なことになるので隠したいんです。切実です、ホントに。 ハヤトとムゲンは兵を担いでサッと移動できます。でも、ユキとアイコは引きずって移動することになります。凄く遅いです。なので運ぶのはハヤトかムゲン、っていうか最初からその2人で倒しとけばいいんじゃね?って感じでした。でも途中で「あぁ、そういうことか」って気づきました。 相手に見つかってしまう範囲は2段階あって、しゃがんでいれば見つからない範囲としゃがんでいても見つかる範囲です。ハヤトとムゲンは倒した敵兵を運ぶのが早いのですが、運ぶときは必ず立った状態になります。そして、怪しまれる→しゃがんで降ろす→担ぐ→怪しまれる、の繰り返しになります。でもユキとアイコの引きずりは、しゃがんでいる状態になるので、ハヤトとムゲンだと見つかってしまう範囲でも運び続けることができます。 終盤になると、アソコにもソコにもアッチにも、って感じで兵が常に見回している状態になるので、倒した兵をしゃがんで運んでくれるユキとアイコが凄く使いやすい場面も多かったです。

プレイしてるうちにキャラクターの良いところに気づくようになって、誰で進めるかって考えるのも楽しかったです。 タクマなんかは、敵兵を運べないし泳げないしハシゴがなければ登れないし走ると大きい音を立てるので気づかれるしで、潜入に必要な能力が全くないのですが、狙撃ができます。長距離なうえに発砲音の範囲が凄く狭いので位置バレしにくい。素晴らしい。「あれ!高台の敵兵!」って場面とかで素晴らしい働きをしてくれます。 でも弾が少ない。足りなくなったらステージ内に設置されている箱から弾を補充する必要があります。タクマ自身は潜入は難しいのですが素晴らしい能力がもうひとつあるのでなんとかなったりもします。ムリなら道を作ってあげます。タクマを高台に、が合言葉です。

ステージごとにキャラクター構成が決まっているので、「あぁ、ムゲンがいれば」とか「ハヤトがいれば!あの地味な石投げが欲しい!」とかって思うことが非常に多いです。でも、いざ人数が揃うと迷ってしまうという不思議さ。選択肢は最大でも5人分なので多くはないと思いますが迷います。 自分の場合は最終的にユキの罠無双でした。最初は使いづらいなぁって思ってたんですけどね。不思議です。重めの物語に加えてプレイもキツイので、あの軽い感じが嬉しかったりもしました。火縄銃を撃ったあとの「リロードするの」ってセリフが可愛くて好きです。

全体的にプレイ時間が長くはなるのですが、クイックセーブができるので失敗してもすぐにやり直すことが出来ます。5分以上考えて、よしコレでいこう、って始めたら30秒で失敗に終わるとかやってました。自虐的に笑えます。そこで「操作が悪かったのか、別の方法を考えるか」の繰り返しになります。無茶に思えても徹底的に正確に操作をすれば上手くいくことも多かったです。

マウス・キーボードとゲームパッドのどちらでもプレイ可能です。どちらにするかでプレイ感はかなり変わります。 マウス・キーボードだとキャラクターに指示を出す感じで、ショートカットキーによるキャラやスキルの選択、マウスクリックで位置の指定や実行など、複数の工程を素早く行えます。 ゲームパッドだとキャラクターを操作するという直感的な感じになるので、移動や武器で相手を攻撃するといったアクションが凄くやりやすいです。

下手すると心が折れてしまいそうな徹底した難易度になっています。クリアまでの総プレイ時間は30~40時間ほどだと思いますが、もしかしたら1回1時間以上のプレイ時間を作れないとキビシイかもしれません。間が空いて、何してたっけ、ハヤトなんでココで待機してるんだっけ、ってなることもありました。でも結局は全ステージをクリアしたあとで好きなステージをプレイしていました。 初プレイ時でいきなりステルス潜入を目指すと大変な目にあうので、まずはゲームタイトルの通りタクティカルにプレイするのがいいかなと思います。「この兵を倒せば突破できる」という感じで、警備に穴を開けて突破することを基本にプレイするとストレスも減ると思います。プレイに慣れてきたりシステムを把握できたりしたらステルス潜入を目指す感じでいいと思います。

PS4とXbox Oneで2017年に発売予定となっていましたが、欧州が7月28日、北米が8月1日の発売が決定したようです。ですが6月の時点で日本での発売日の発表はありません。凄くやり応えのあるゲームだとは思うので発売が決まるといいなぁと思います。 Steamのタグ設定に「難しい」っていうのがあります。やっぱり難しいみたいです。 プレイ中はイライラしたり下手すると腹が立ったりもしますが、ステージをクリアすると何故かそういうことは忘れてしまって、「あそこって、もっといい方法あるよね」って感じで懲りずにプレイしてしまう。そんなゲームでした。