レゴシティ アンダーカバー

  • Wii U/Nintendo Switch/PlayStation 4
  • 2013年7月25日/2017年6月29日

この箱庭感。 自分が求めていた箱庭感が、このゲームにはありました。

レゴシリーズが好きだからとかではなくて、オープンワールドだからという理由でプレイしたゲームです。 PS3以降のオープンワールドって映像が凄くて「この世界をキャラクター動かして遊ぶんだ」ってビックリした覚えがあります。あまりに凄すぎて、箱庭とかって感じを突き抜けちゃってます。 でも、ふと箱庭を感じたいって思うことがありました。ゼルダの伝説 時のオカリナとかスーパーマリオ64とか、ファイナルファンタジー9のワールドマップを移動してるときみたいな、スケールを実感できる箱。 その感じを時々思い出して、そして求めていました。

ゲームを開始すると主人公が港に降り立ちます。色々な環境音が聞こえて、橋と海、そして海の向こうにビルが立ち並んでいるのが見えます。 すぐに「あぁ、これだ」って思いました。あのビルが立ち並ぶところはどんなんだろうっていう感覚。 そして橋です。橋……橋……大きな橋……。頭の中は橋のことで一杯になります。橋を渡りたくてしかたがない、とりあえずミッションはどうでもいい。そんなワクワク感。 すごく広いんですけど、その広さというのがキャラクターの頭身に合わせたスケールになっている。だから距離感みたいなのが画面の中に納まっていて、ここからここまでっていう箱を感じる。 求めていた箱庭を、ついに見つけたという嬉しさで一杯になりました。

このゲームの素敵な箱庭は大きな3つのエリアに分かれています。分けられているといっても景色や景観が変わるという意味で、マップのロードなしで移動が可能なオープンワールドです。ある程度のミッションを終わらせないと橋の通行止めが解除されないので、最初から全エリアの探索はできないのですが、割と早い段階ですべて行けるようになります。 ストーリーは各ミッションをクリアして進めていくことになります。ミッションによっては専用のマップが用意されていて、そのときはロードを挟んで専用のマップに移行します。そしてミッションが終わったらまたフィールド用のマップに戻るって感じです。 収集要素として「トークン」というアイテムがあります。これを集めることで変装の種類を増やしたり、新しい乗り物をアンロックできたりします。このトークン集めが、広いマップを退屈せずに探索させるための仕掛けの1つになっています。

ゲームプレイですが、プレイ時間についてはプレイスタイルで大きく変わるため予想が難しいです。ストーリーに沿ってプレイする感じなら10~12時間ほどかもしれないし、じっくりと探索をするなら20時間以上になるかもしれないです。 割とアクション要素があって、操作が上手くいかないとサクサクとはいかない場合もあります。でも難易度は高くないので自力でクリアしていくことは出来ると思います。 ストーリーに関しては色々な作品のオマージュが含まれているらしいので、そこを楽しめるとより面白くなるのかなと思います。自分はほとんど気づなかったのですが十分に楽しめました。

自分の場合は完全に探索メインでプレイしてました。 まず最初に探索することになるのが警察署のあるエリアで、住居エリアというかベッドタウンというか、そんな感じのエリアです。 2つ目は森とかの自然が豊かなエリアです。農場があったり、ポツンとガソリンスタンドがあったりします。ここは個人的に一番好きなエリアで、乗り物でここを通ったりすると何か懐かしさのようなものを感じます。 3つ目は一番大きなエリア、ゲーム開始したときに見えるビルが立ち並ぶところです。このエリアはさらに5つくらいに分かれていて、オフィス街、繁華街、リゾート、公園、空港とかがある区画になります。このエリアは本当に楽しくて、特にトンネルを抜けて海岸に出るときのワクワク感は素晴らしいです。 それぞれのエリアは雰囲気の違いとかがハッキリしているので「ここを曲がれば海に行ける」といった感じでマップも覚えやすいです。

収集要素については称号をもらえたり特別なブロックを集めるとかがあるのですが、乗り物のトークンを必死で集めてました。乗り物楽しいです。 これらの収集も自分でなんとか見つけることができる程度の難易度になってます。ただ、本当に全部集めるってなると攻略情報を見るのが早いとは思います。 クエストやミッションがアイテム収集系のものだと「それやるの?!」って思ったりすることもありますが、このゲームは箱庭感が気持ちよかったので「30分ほどプレイしようかな」って感じでコツコツと進めたりしてました。 とにかく距離感とかのスケールが丁度いい感じで、ミッションや探索に疲れたら、乗り物でメインの道路をグルっと一周して疲れを癒してました。「ああ、ここ面白かったな」とか、それまでのゲームプレイを実感できてすごく楽しいです。

自分にとっては本当に気持ちのいいゲームだったのですが、ロード時間の長さが気になりました。ミッション開始時のロードが30秒くらいあるのですが、警察署とフィールドマップの切り替え時は特に長くて、60秒くらいはあったかなと思います。

今では「何であんなに箱庭感にこだわってたんだろ」って感じになっちゃってます。自分でも不思議です。もしかしたら、このゲームが箱庭感の呪縛から解き放ってくれたのかもしれません。 これは想像ですが、「オープンワールドって良く聞くけど、どんなゲーム?」と思っている人には、それを体験するきっかけとしてピッタリのゲームじゃないかなと思います。いきなりリアルなスケールのオープンワールドだと途方にくれてしまう可能性もありますが、このゲームのスケール感なら戸惑わずに進めることができるんじゃないでしょうか。

WiiU専用だったこのゲームですが、2017年6月29日にPS4とNintendo Switchで発売されました。 ロード時間の問題が解消されているかが気になりますが、それを含めても凄く楽しい体験が出来るゲームだったと思います。