The Adventure Pals

  • Steam/GOG
  • 2018年4月3日

日本語未対応です。 たぶんアクションアドベンチャーに近いプレイ体験になると思いますが、とにかく気楽に、そして愉快にプレイできるようになっています。 はっきり言ってコントローラーを操作してボタンを押すだけというゲームなのですが、その操作の気持ち良さと愉快なキャラクターたちが、ときには声を上げて笑ってしまうようなゲームプレイを提供してくれます。 このゲームは "可愛らしいキャラクターと軽快な音楽だけど実は高難度" なんてことはありません。その楽しさは映像と音楽から想像する通りです。

主人公の Wilton はお父さんからキリンをプレゼントされます。しかし、その直後にお父さんの旧友の Mr.B が現れてお父さんをさらってしまいます。そして Wilton はお父さんを助けるため、キリンと一緒に冒険することになります。

マップは移動用のフィールドと探索用のステージで別に用意されていて、フィールド用のマップに各ステージへの入口が配置されているという形です。フィールド用のマップは見下ろし型でステージ用のマップは横視点です。 各ステージへの入口はストーリーを進めると出現します。1ステージに5つのマップがあり、そこを探索しながら進めていきます。マップには宝箱が配置されていますが、通常のものとは別にランダムで配置される宝箱もあります。ランダムで配置されるものは、お金を払ってアイテムを入手できる宝箱と、攻撃で炎上を与えるなどのバフを得られる宝箱の2種類あります。 一度クリアしたステージはいつでも再プレイが可能で、さらにそのステージの好きなマップを選ぶことができるようになっています。

アクションは剣による攻撃とジャンプですが、攻撃は通常攻撃だけとういシンプルなものです。また、壁ジャンプやグラップルといったアクションは始めから使用できます。 アイテムは回復用のポーションや攻撃用のバクダンなどがあります。ポーションは自分で使用することもできますが、HPがゼロになったときに自動で使用して回復してくれます。 主人公は敵を倒して経験値を入手することでレベルアップし、そのときに色々なアビリティも入手できます。アビリティは順番に覚えていくのではなくて、レベルアップ時にランダムで3つのアビリティが提示され、そのうち1つを入手できるという仕組みになっています。最終的にはすべてのアビリティを入手できます。

収集要素としてカップケーキとステッカーがあります。カップケーキはコスチュームと交換できます。ステッカーは単純に収集するだけです。 どちらも主人公の強さなどの能力に影響はなく、ストーリーを進めるうえで必要なものでもないので、ストーリークリア後に集めるという楽しみかたもできます。

ゲームプレイですが、プレイ時間は英語がペラペラなら6~8時間ほどじゃないかなと思います。収集要素などのコンプリートを目指すと10時間くらいになるかもしれないです。自分の場合は辞書で単語などを調べながらプレイして12時間でした。 各ステージのバトルも探索も特に難しいものではなくて、終盤はアクションが少し難しくなりますが、深く考えたりする必要もないのでアクションアドベンチャーなどに慣れていない人でも楽しめる難易度になっていると思います。 ストーリーは様々なクエストをこなして進めていくことになります。このクエストも謎解きが難しいとかそういうことはなくて、サクサクと進めることができます。 一度クリアしたステージはマップを指定してやり直すこともできるので、カップケーキやステッカーを集めるのもすごく楽です。

バトルはとにかく攻撃していれば倒せます。敵の数が多い場合はポーションがないと厳しいですが、ほとんどの雑魚は爆弾一発で倒せるので、取りあえず爆弾投げておけばいいです。 難易度が低すぎたりキャラクターを育成しすぎて強くなったりするとボタンを連打するだけなんてこともありますが、このゲームはむしろそれを最大限に楽しめるようなものになっています。いわば "タコ殴り系アクションアドベンチャー" です。それもキャラクターの育成などを工夫してその状態に持っていくのではなく、初めからタコ殴って楽しめます。そして各マップの難易度が上がるのに合わせてキャラクターもレベルアップして強くなるので、いつまでもタコ殴り続けられるようになっています。この難易度調整は本当に素晴らしいと思います。

ストーリーやキャラクターたちの言動はどこかふざけていて、そして愉快です。けれども、喜びや悲しみや怒りといった部分については決してふざけず、そして茶化すこともせず真面目に向き合っています。 裸が恥ずかしいと悩んでいるクジラがいる。それはおかしな話ではあるけれど、主人公はそのクジラのためにビキニを取ってきて渡してあげる。そこには、もちろんお父さんを救うためではあるのですが、たとえ主人公にとっておかしな悩みやお願いであっても、彼らの思いを尊重するという姿勢が感じられます。 そういった言動に触れることによって、彼らは確かにこのゲームの世界に住んでいて、そして自分がその世界に住んだかのような感じがしました。

このゲームはバトルも探索もクエストもはっきり言ってすごく簡単なのですが、それじゃ何が楽しいのかというと、それは単純にプレイしていて気持ちがいいということです。 バトルは基本的にボタン連打だしポーションは自動で使ってくれます。そして自分の投げたバクダンでダメージを喰らうという、いわゆるフレンドリーファイアもありません。とにかく戦えばいいしバクダンは投げたいときに投げればいい。アイテムを使用するための立ち回りなんて必要ないんです。 アビリティも便利なものばかりで、探索中に仲間がポーションやバクダンなどのアイテムを拾ってきてくれるようになるものもあります。それらはプレイヤーが使用するタイミングなどを考えなくてはならないなんてこともなく、仲間が勝手に使ってくれます。そしてもちろん、MPやスキルポイントなどに頭を悩ませる必要なんてありません。 これは下手するとボタン連打するだけの退屈なものになってしまうのですが、絶妙な難易度調整によって、その気持ち良さを最後まで維持させてくれます。

私はラスボス戦でポーション使いまくってお互いに殴り合ってました。HPの減り具合による形態変化みたいなのもしっかり用意されているのですが、そんなの無視です。そして最後は無敵ポーションを使って殴り倒しました。そんなラスボス戦だったにもかかわらず本当に楽しくて、大笑いしながら戦ってました。 その楽しさはストーリークリア後も失われることがなくて、カップケーキとスティッカーもコンプリートしました。でも不思議なんですよね。攻略とか深く考えずにプレイしていたのに、各ステージを再プレイすると自分の操作が上達しているのが良く分かります。

The Adventure Pals。 バトルやら探索やらの攻略に頭を悩ませるのは止めて気楽にいきたい、でも単に簡単なだけでは退屈だ。ときどき私が抱えることもあるそんな悩みに、このゲームは見事に応えてくれました。 何もかもをゲーム側がやってくれる。プレイヤーがやることはコントローラーを触ってキャラクターを動かすことだけです。そして、その楽しさを見事に実現していると思います。 プレイヤーにとって不利に、そして不便になるような調整によって難易度を高めているゲームに疲れてしまった人にとって、ビデオゲームの楽しさを思い出すための手助けをしてくれるゲームじゃないかなと思います。